CHIMES5巻の感想メール、まだまだ毎日届いております。
ほんと嬉しいですわ!
量多いんで、返信滞りがちですけど、ぜったい返すんで、気長にお待ちを。
それで。
意外だったのは、メールくれる方の中に、「自分もマンガ家目指してます」という人が多いこと。
マンガ描きさんに読んでもらえて、面白いと言ってもらえることはすごく嬉しいです。
そこで、CHIMES完結記念企画として、こんなのやろうかと。
「CHIMESができるまで ~ストーリー編~」まあ要するにメイキングですわ。
作画メイキングのほうは、マガスペの「漫画家への花道」でやったんで(サイトのプロフィールの項に、リンクはってます)、今回はお話のメイキング。
志賀伯くんもサイトでやってて、僕もやりたかったんですよね。自分が迷った時の指針にもなるし。
ほんとは「マーダ」のときみたく、サイトで別ページ作ってやろうかと思ったんですけど、ブログで書いたほうが楽なんで、ブログでしました。
携帯からは見られないと思うんで、パソコンから見てください。
それではCHIMESの
第7話「日曜デート大作戦!!」を例に、当時の制作ノートや、ネームをスキャンしたものを交えて解説していきます。
6話までバトル続きだった流れを一気に変えた回で、それまでアンケートもすごい良かったんで、「今回は順位落ちるんだろうな」、と思っていたら、いつも以上に良くて、びっくりした回です(笑)。
連載といえど、第7話は読みきり形式の回なので、読み切りを描く方にも参考になるかと。
しかし、当たり前ですが、渡辺静はこうしてるというだけで、万人に向いたやりかたではないので、あしからず… っていうか、ぶっちゃけ効率悪いんで、あんまり真似しないほうがいいかも?(笑)
あ、あとこれも当たり前ですが、CHIMESの第7話をすでに読んでくれている方のほうが、理解しやすいと思います。
未読の方は、単行本2巻に収録されておりますので、こちらもあわせて是非(笑)。
やたら長いので、追記にしときます。
「続きを読む」クリックでどうぞ!
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1、打ち合わせまずは担当編集者との打ち合わせ。
ここで、作品のおおまかな全体像やイメージを、話し合います。
今回の第7話ならば、
「シリアスな話が続いたんで、ギャグをやりたい」「普段見られない、キャラの日常生活の話をやろう」「雨宮と立花がゲーセンに行く話」「立花さんにちょっとイイところ見せたい雨宮が頑張る」
などなど。
まだフワフワして固まりきってないですね。でもそれでOK。
この段階で、オチまで決まれば御の字ですが、連載中ほとんどありませんでした。
<作業時間>
数時間。
月末か月アタマに、編集部に完成原稿を持っていったとき、ついでに次回の打ち合わせをすることがほとんどでした。
2、構成を組み立てる
(画像はクリックで拡大します)
いきなりネームやっちゃう作家さんも多いんですが、僕はアホなんで、一回まとめとかないと、ネームに入れないのです。
この段階で、始まり方、オチ、どこが見せ場になるか、ここに伏線を張ってここで回収させよう…などなど、全体の流れ、ようするに「あらすじ」を決めます。
他にも、思いついた事(セリフなど)を、なんでもゴチャゴチャ書いていきます。
立花さんと一日DATE(はぁと) ドギマギ!とか書いてるのがちょっと恥ずかしいですが(笑)
でも、第7話は、そういう「恥ずかしい」回なんで、そういう全体イメージを書いておくのも大事。
<作業時間>
0~3日間。
今回のように読みきり形態の回は、3日くらいかかったかも。
0ってのは、この「構成」をしない回もあったから(バトルなんかで、何回かの続きものになるときは、初回に3日くらいかけて大まかに構成しちゃうんで、次回からはこの「構成」は飛ばして、いきなりプロットに入る)。
3、プロット
まだネームには入りません。
ね、効率悪いでしょ(笑)
めんどくさいんで、もっと簡略化したいんですけどねぇ…。
この段階で、キャラのセリフや挙動、なにが起こってどうなったのかなど、かなり細かい部分まで、必要なら簡単な絵なんかも入れながら、書いていきます。
ページ割りも、できればやります。
画像の右下のほうに苦悩のあとが見えるな…(笑)
<作業時間>
3、4日間。
なにげにこの作業がいちばん時間がかかる。
4、ネーム

やっとネームです。
画像は1~3ページ目。プロットと比較してみてください。
7話目なんで、これでもまだネーム綺麗なほうです。最終話のネームなんてぐちゃぐちゃです(笑)。
メクリ(ページをめくってドーン!と驚かせること)があったり、ページ数に限りがあったり(CHIMESは毎月36ページだった)、あとリズムが悪かったりすると、プロット段階で書いてあっても、ネームにするとき泣く泣く削らなくてはいけないエピソードもちらほらあります。
ネームが終わったら、担当編集者とのネーム打ち合わせです。
<作業時間>
初稿に2、3日。
それからネーム直しに1~4日(初稿の出来による)。
5、原稿
何度かのネーム打ち合わせの後、OKが出たら、ようやく原稿。
作画のメイキングはまた今度。
って、単行本画像スキャンしてアップしちゃったけど、大丈夫かな。ダメっぽかったら消します。
<作業時間>
約半月。
CHIMESは毎月月末締切で、月前半で話作り、月後半で作画、という形態をとっていました。
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どうでしたでしょうか。
構成やプロットなんかは、自分だけがわかればいいものなんで、ものすごい字とか汚くて、わけわかんなかったでしょうけど…。
少しでもマンガ描きさんの参考になれば、描いてない人でも「へー、こんなことやってんだー」と思ってもらえれば、なにより。
これはとても参考になりますな
そしてマンガを楽しんでる一ファンとしても楽しめます
あ、あとできれば
「これに何日くらいかかる」みたいなことも教えてほしいス
すごく参考になりました!!
構想を組み立てるところからスタートしてるから作りこまれた作品なんですね…。
私も見習いたいと思います。
●たくるさん
おお、参考&楽しんでもらえてなにより。
なるほど、たしかに作業時間あったほうがいいですね。
本文に作業時間追加しておきました!
ご覧あれ!
●はっかさん
や、構成をやらない…というか、頭の中でやっちゃう人も多くて、ほんとはそれが時間かからないし、楽なんですけどね。
僕はとにかく書かないと混乱しちゃうんで…(笑)
びっくりした!!
あまりの対応の早さにww
こっちが見落としてたのかとおもって若干あせりましたよ(笑
それにしてもありがとうございます^^
うわー渡辺くんの製作過程を見られるとは…
といっても見せてもらったことあったけど
改めて参考になる
俺プロットかかずに(かいても1,2p)
ネームにしないと思い浮かばないから
ネームダメだし多いんだよねコレ
なんて計画的な作りなんだ…
1個前の日記だと、クロニクルの下に、次回作の構想を書き溜めた用紙がたくさん見えていました。
1話分でも、たくさん考えて、たくさん閃いて、たくさん書き込んで・・・。
次回作の構想が出来上がった頃には、用紙が学校の宿題並みに積み上がってるのを想像してしまいました。
●たくるさん
ブログに目を通した時にレスする、ってかんじなもんで。。
なんで、今回はレス遅れてすいません(笑)
●志賀くん
プロットなに描いてるかぜんぜんわかんないでしょ(笑)
ネームにしないと浮かばないなら、それが一番いいんじゃない?
ってか、おれもそうしたい。うらやましい(笑)
●DRSさん
最近はノートじゃなくて、ネーム用紙にガリガリ書いてってます。
いやほんと、構想時に書いた分量の100分の1でも具体化すれば御の字、というかんじですよ。
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