うーん、ネーム悩み中。 気晴らしに最近読んだ小説の感想でも書きます。 マガスペの「シネマニア」コーナーで映画版を特集するにあたって、予習する為に読んだ原作本。 伊坂作品を読むのは2作目。 なんだか「アヒルと鴨のコインロッカー」とだいぶ作風が変わっててビックリ。 なんとなく冷たく澄んだ印象。すごくデリケートで難しい問題を扱ってるせいもあると思うけど。 一応ミステリーっぽい体にはなってるんだけど、ミステリー小説としての巧緻さはあまり無く、テーマはおそらく家族愛です。 伊坂作品3作目。 こっちのほうが「アヒルと~」に近い印象。 「重力ピエロ」と比べて、いい意味ですごく軽いというか。 ジメっとしてなく、タイトルどおり陽気で、小難しいことを考えずに読める、すごくエンターテイメント性が強い一冊。 後半、事態が鮮やかに収束していく、伏線がどんどん回収されていくのは、やっぱり読んでて気持ちいいです。 やっぱ僕はこういうのが好きなんだなぁと再確認。 【かるーくネタバレあり?】 タイトルは、たぶんアガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」のオマージュ。 内容もそれらしく、閉鎖空間で次々に人が殺されていきます。 それだけ聞くとすごい本格ミステリーっぽいですが、そこは森博嗣。 ミステリーにおいての決まり事を逆手にとって、見事に騙してくれます。 メイントリックにはしびれましたし、伏線も鮮やかだったんですが、ラストは、はたして必要だったのか疑問です。 作中のセリフ「壊れるように作った」「どうして、壊してはいけないのかな?」 というセリフがなんだか象徴的。 でも、最後の大オチが判明してから読み返しても、ちゃんと整合性がとれてるんですよね。 それがすごいなぁと思う一方で、大オチの縛りをを無くして前半を書いてたら、もっと面白くなったのになぁ、とも思います。 なんだか、不思議な気持ちになる一冊でした。
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今日は打ち合わせでした。 14日発売の9GOATS BLACK OUTのアルバム、フライングで買って帰ろうとしたら、まだ並んでなかった…しょぼん。 今日、電車のなかで読了した小説が面白かったので、ひさしぶりにご紹介。 ジャンルはミステリーです。 ミステリーのトリック…なかでも密室モノのトリックは、もはや出尽くして、新しいものは生まれないと言われて久しい昨今ですが、これはすごいですよこれは…! 驚天動地の大トリックです。びっくりした。 ともすれば「ふざけるな」になりかねないところを、状況設定で「なるほど」に落とし込んでいるところがすごい。 こういう○○系の作品の中では、個人的に今までで一番です。 ちなみにこの作品、「ミステリアス学園」という作品の続編らしいということに、読みながら気づいたんですが、前作読んでなくても、まったく問題なく楽しめました。 ミステリーを読みなれている人ほど楽しめると思います 普通じゃないミステリー読みたい、そんな方にオススメ。 BGM:夜想 -nocturne -/9GOATS BLACK OUT
単行本カバーのカラー中。 連載原稿がないので、余裕ぶっこいていたら、けっこう〆切がやばいことに。 あれれ? 最近読んだ小説の感想など。 「 子どもたちは夜と遊ぶ」 上下巻の2冊。 この作品の本質というか魅力は、ミステリー小説としてのプロットの巧緻さよりも、キャラの立たせ方、その心理描写にあるかと。 いや、そもそも、ミステリーじゃなくラブストーリーなのか? キャラの内面をえぐるような、洗練された文章がステキ。 切ないラストも印象的ですごいよかったです。 「 悪夢の観覧車」 これは最高に面白かった。 まさに「面白かった」という感想がふさわしいエンターテイメントミステリーです。 ↑の「子どもたち~」と逆で、文章の切れ味よりも、プロットで勝負するタイプ。 練りに練られた伏線が鮮やかに回収されて、ストーリーが集約していく様は、読んでてゾクリとします。 キャラもマンガ的で、好きになれました。 映像化に向いてる小説ではないかなぁと思います。2時間映画のシナリオに丁度いい感じ。 「 アヒルと鴨のコインロッカー 」 これはミステリー…なのか?と思いながら読み進めていったけど、ちゃんとミステリーでした。 これも「うまいな~」とうならされた作品。 伏線の貼りかたが技あり。「あのシーンは、ああいうことだったのか」という感覚は、たまりません。 メインストーリーと関係のないところの描写が、深みを与えてるかんじがします。 映画にもなってるみたいなんだけど、どうやって映像にしたのかがすごい気になります。
僕は寝る前に、枕元で読書をよくします。 で、そのとき口さびしいので、寝酒がわりにお酒を飲む事も多いんですが、聞くところによると、寝酒ってあんまり良くないらしいですね。 なんでも、熟睡を妨げるとか…(ちゃんと調べてないので定かではないですが)。 あと太るし(笑)。 ほどほどにします。 そんなわけで、最近読んだ本の感想でも書きます。 「マルドゥック・スクランブル」 上、中、下の3部作(↑の画像は上巻)。 これはアシスタントのSくんから借りたもの。 「面白いんで読んでください~」と、3冊どさっと渡されたときは、うわー3冊か…長いな~。と思ったけど、一気に読めました。 抜き身の刃のような文章(抽象的だな)がステキ。 キャラも、ウフコックとバロットの、あの近くて遠い関係がすごくいい。キャラの良さも一気に読めた要因。 寺田克也さんのカバーイラストもかっこいいです。 「扉は閉ざされたまま」 2005年版の「このミステリーがすごい!」第2位作品。 いわゆる倒述ミステリー。 舞台設定が、一見普通なんだけど、考え抜かれてて面白い。 淡々と状況を説明する飾り気のない文章は、まぁ読みやすくはあります。 疑問を持った人が多かったというラストも、個人的には好き。 登場人物が多い上に、とくにキャラ付けはしてないので、序盤のうちは、「あれ、これ誰だっけ」ってことがあるも、後半慣れました。 「φは壊れたね」 大好きな森博嗣さんのGシリーズの第一弾。 文庫待ちだったので、文庫で読めて嬉しいです。カバーデザインもステキ。 森作品に共通している、巧みな言葉選びと、キャラの立たせ方は健在。 「なんちゅう文章書くんだ!」と思わされることもしばしば。 第二弾の「θは遊んでくれたよ」も読みました。こっちも良かった。 海月と加部谷の絡みが好きです。 「葉桜の季節に君を想うということ」 2004年版「このミス」第1位作品。 前情報を頭に入れずに読んだ方が面白い系。 なので多くは語りません。 仕掛けは鮮やかだけど、ちょっとあざといかんじも少しします(笑)。 さて、そんなわけで、ネーム直しにもどります。ジャッ!
胎児よ 胎児よ 何故躍る 母親の心がわかって おそろしいのか 小説「ドグラ・マグラ」を読了。 最初の刊行が1935年という、たぶん僕の読書歴のなかで最も古い作品。 「一大奇書」「読む者は精神に異常をきたす」などの謳い文句につられて、専門学生時代に一回挑戦した事があったんですが、その内容の面妖さと、意味不明さ(失礼、僕が未熟なだけ)に、途中で挫折して、幾年月…。 最近、映画版の「ドグラ・マグラ」を観て、それが内容をうまく整理してくれていて面白かったので、もう一度小説を読みなおしてみたわけです(邪道ですが…)。 今回も、相変わらずの常軌を逸した内容に、正直途中でくじけそうになったんですが、同じ轍は踏むまいと、がんばって2か月くらいかけて読み切りました。 まあ、完全に内容を理解できたかといえば、できてません。 構成の妙とでもいうか、メインのプロットははっきりしてるんですが、視点や表記法がめまぐるしく変わるんで、幻覚をみているような… でも、「なんかすげぇ」ってのはビシバシ伝わってきたし、なんだかいろんなものを得た気がします。 映画「2001年宇宙の旅」を観たときもこんなかんじだったな…。 また何年かしたら、再読してみようと思いました。
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