さて始まりました、不定期連載コラム「
めくるめくV系音源の世界」。
案内人は渡辺静です、よろしくどうぞ。
「ヴィジュアル系」という言葉が生まれた90年代後期にヴィジュアル系バンドにはまり、
以来ずっと聴き続けてきた僕です。
流行りに流されない独自の世界観に彩られた、楽曲、メイク、衣装・・・そして
音源の装丁。右へ倣えを嫌った、「誰もやってない事をやろうぜ!」と言わんばかりのマインドは、ぼくの心をとらえて離しません。
そう・・・
たとえ突き抜けすぎて他人の目には珍妙に映ろうとも。このコラムでは、僕が十余年のあいだに収集した、
余所ではなかなか見られないレアでディープでアングラで、
そしてなにより珍妙な。
そんな愛すべき音源たちを、それにまつわる僕の思い出話などもまじえながら紹介していきたいと思います。
*****
さて、前置きが長くなりました。
記念すべき初回に紹介する音源は、
御伽(オトギ)というバンドのデモテープです。
(今はもうほとんど無くなったけど、なぜか公式音源をカセットテープで販売するという文化が、
インディーズヴィジュアルシーンにはあったのです。90年代いっぱいくらいまで。
とっくにCDも普及しきっていたというのに。)
これ音源タイトルからしてすさまじいので、ちょっと隠しておきます。
「続きを読む」をクリックして、びっくりしてください。
『精神病棟ニ○一号室の患者は、精神病棟ニ○一号室の患者で、精神病棟ニ○一号室の患者の、精神病棟ニ○一号室の患者が、精神病棟ニ○一号室の患者と、精神病棟ニ○一号室の患者に、精神病棟ニ○一号室の患者を、精神病棟ニ○一号室の患者も、精神病棟ニ○一号室の患者な、精神病棟ニ○一号室の患者へ、精神病棟ニ○一号室の患者や、精神病棟ニ○一号室の患者?精神病棟ニ○一号室の患者。』はい、コレ↑、音源のタイトルです。
すごいでしょ?(笑)
僕が知る、世のあらゆる音源タイトルの中で最長記録です。
蛇足とわかりつつもフォロー入れておくと、
べつに病気のひとをおちょくったものではないので悪しからず。
当時、俗に「医療系」なんて呼ばれるジャンルが、V系シーンでプチ流行りしていて、
この音源はその流れをくむもの(別に御伽は医療系バンドじゃなかったけど)なのです。
そしてこの音源、すごいのはタイトルだけではありません。見た目もすごいんです。
写真がコチラ。
ゴム手袋に入っている。お店で初めて見たとき目を疑いましたからね。
流れで見て行って、CD、CD、デモテープ、CD、ゴム手袋、デモテープ・・・
えっ!?みたいな。
それだけではありません。
中身を出して見てみると…。

ケースが割れている。これ、最初粗悪品なのかなと思ったんですが、店に置いてあった別の『精神病棟~』を見ても、やっぱり割れてるんですよね。
そして極めつけは歌詞の紙。
なんの変哲もないB5サイズの紙とおもいきや、よく見てください。

なんだかグシャグシャでしょ。
コレ僕の扱い方が悪いわけじゃないんです。
歌詞がグシャグシャに丸められて入っていたんです。(ゴム手袋の中に)
仕様でケース割れ&歌詞グシャグシャなんですよ。もうケンカ売ってるとしか思えません。
クレジットには、完全自主制作限定1000本と書かれているので、
1000本自分たちでケース割ったり、歌詞丸めたりしてたんですかね。
なんというよくわからん努力だ。あ、ちなみに、インパクトがあったのは装丁だけで、
肝心の曲のほうは、わりとよくあるツタツタのリズムで叫ぶ系の曲でした。
まぁ完全に出オチだったわけなんですが、僕はこれを買ったことをまったく後悔してません。
この音源を所有しているということ自体が最高のステータスだと僕は思っていますから!
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さて、どうでしたか、めくるめくV系音源の世界・・・。素敵でしょう。
これからも気が向いたとき、時間が許したときに、この連載やっていきたいと思います。
初回からいきなりすごいの出しちゃったんで、次回どうするか困りものですけど。
【音源データ】
バンド名:御伽
タイトル:『精神病棟ニ○一号室の患者は、精神病棟ニ○一号室の患者で、精神病棟ニ○一号室の患者の、精神病棟ニ○一号室の患者が、精神病棟ニ○一号室の患者と、精神病棟ニ○一号室の患者に、精神病棟ニ○一号室の患者を、精神病棟ニ○一号室の患者も、精神病棟ニ○一号室の患者な、精神病棟ニ○一号室の患者へ、精神病棟ニ○一号室の患者や、精神病棟ニ○一号室の患者?精神病棟ニ○一号室の患者。』
発売日:00/10/20
メーカー:不明
品番:不明
収録曲:1、『精神病棟ニ○一号室の患者は、精神病棟~(以下略)』
2、舞踏会
種類:テープ
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[ 2012/11/03 16:59 ]
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